【売り上げのシュミレーション】
・販売計画の重要性
売上高は会社にとってとても重要です。
格安で販売用商品を仕入れたり、
電話代やネット代を安くしたり、
いろいろ経費を削ってみても、
各経費をまかなう売上高(=入金)がなければ、
支払ができないからです。

ムダ・ムラの金額・時間がある場合は、
それらを取り除くという意味で、
経費を見直すということは、必要不可欠です。
ただ、売上高を伸ばすよりも、
経費を削って削って削って・・・と、
乾いたゾウキンを絞るように削ることがあります。
各経費を削ることには限界があり、
会社を維持するためは
最低限の必要な金額がかかります(固定費)。

手間暇かけて経費を削るより、
手間暇かけて売上を上げることに、
エネルギーを使った方が、
根気がいりますが前向きです。
売上高という勘定科目が
損益計算書の一番上にあるのも、
勘定科目の中で重要であること示しています。

・なぜ販売計画を立てるか
創業当初は、借入金をする場合がよくあります。
政府系の日本政策金融公庫でも民間の金融機関でも、
「事業計画」「創業計画」など(共に同様)、
損益構造(利益が出るかどうか)と
貸借内容(創業の自己資金や道具)などを
この「事業計画」「創業計画」に記載し、
必ず紙面にて提出を求めらることになります。

仮に借入金を申し込みしなくても、
同様の計画を作成していれば、
創業時点でのスタートとその後の事業展開を
客観的にみることができます。

ただ、この「事業計画」「創業計画」は、
経費だけでなく、粗利率(売上総利益率)
や現金預金の残高など、
初めて作成するには複雑なものなりかねないです。

そこで、
まず最重要である売上高がどうなるかを考える
「販売計画(売上計画)」を立てることを
オススメします。
「販売計画(売上計画)」は、事業の柱となる
商品やサービスをどのようにして、
どれだけ販売するかを検証・計画するものです。
また、事業の柱となるものなので、
どのように販売するするかは、
自らの成功体験の裏付けがあり、
どちらかというと計画を立てやすいものです。

他方で、経費がどれだけかかるかは、
創業してみないとわからないことがあります。
そのため、現実的な売上高の数字に落とし込み、
より具体的で実行可能な「販売計画」を立てると、
まかなえる経費も見えてきます。

・販売計画の作成/実際に計画を立ててみる
(具体例:飲食店)
では、どうやって販売計画を立てていくのか、
独立開業して飲食店をする場合を、
具体的に考えていきましょう。
出前や持ち帰りの専門店ではなく
店舗で飲食をする場合です。

〇テーブル席・カウンター席(満席人数)
〇混んだ状態で席が埋まっている率(満席率)
〇混む時間帯で入れ替わるお客様の回数(回転率)
〇一人当たりの食事する金額(客単価)
〇満席人数×満席率×回転率×客単価

(例)うどん店【席数】

テーブル席(4人掛)3席(12人)
カウンター席8席(8人)
合計20人

【満席率】
混む時間帯で、カウンターは全て埋まり、
テーブルは2人=1組の場合
テーブル席・・・・2×3=6人
カウンター席・・・8人
合計・・・・・14人
満席率は、14/20×100=70%

【回転率】
昼休みの1時間に外食し、
一人当たり食事する時間は
約15分とした場合回転率は、
60分/15分=4回転

【客単価】
うどんを提供する場合、
一人当たり500円~700円ぐらいの価格帯
(500円+700円)÷2=@600円
20人×70%×4回転×@600円=33,600円
となります。

【月売上高(予測)】
月曜日から金曜日を営業日として5日/週
1月=4週間昼と夜の営業(混む時間帯は2回/日)
33,600円/日×5日/週×4週間×2回/日(混む時間帯)=1,344,000円
となります。
ちなみに、
1回の混む時間帯の1時間で
56杯のうどんを作ることになります。
1か月で1,120杯のうどんを作ることになります。

飲食店を例にしましたが、
製造業でもサービス業でも
同様の事が言えます。
独立する職業に応じて
それぞれの計算方法がありますので、
一般的な方法で一度見積計算を
してみることをオススメします。
また、この一般的な方法よりも
更に売上高が上がる方法をみつけた場合、
それは同業他社より
優位に立つことができます(差別化)。