「売上拡大」ばかりが正解じゃない。自分のペースで長く着実に歩む「強い経営者」になるための4つのステップ

自分の看板を掲げて独立開業し、
ビジネスをスタートさせた今、期待に胸を膨らませる一方で、
「来月の売上はどうなるだろう」
「このままの働き方でずっと続けられるだろうか」
といった不安を抱えていませんか?
世の中のビジネス書やSNSを開けば、
「起業〇年で年商〇億円!」
「どんどん事業を拡大しよう!」
といった華々しい言葉が飛び交っています。
つい自分と周りを比べて、焦りを感じてしまうこともあるでしょう。
もちろん、そうした拡大路線も素晴らしい挑戦です。
しかし、無理な拡大路線は時に経営者自身の心身を削り、事業の寿命を縮めてしまうリスクも含んでおり、経営の「正解」は決して一つではありません。
規模を急拡大させるのではなく、「自分のペースを守りながら、長く着実に、愛される事業を継続すること」。
これも、変化の激しい時代において本当に求められる「強さ」なのではないでしょうか。
このブログ記事では、事業の「安定」と「継続」を最優先に考え、無理なく着実に「強い経営者」へとステップアップしていくための4つの段階について、具体的に解説します。
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第1段階:狩猟型から農耕型へ。収益の「土台」を作る

開業直後の経営者を最も苦しめるのは、「毎月の売上が読めない」という不安です。
「今月は良くても、来月はどうなるか分からない」という状態が続けば、常に緊張の糸が張り詰めたままになり、いずれ心身ともに疲弊してしまいます。
この不安を払拭しない限り、心にゆとりは生まれません。
まずは、常に新規顧客を追い求める「狩猟型」の営業から、定期的に収益が実る「農耕型」のビジネスモデルへとシフトしましょう。
狩猟型の営業とは、獲物を求めて常に走り回るように、毎月ゼロから新規顧客を探し続けるスタイルのことです。
例えば、「単発のWeb制作だけを請け負う」「毎回チラシを配って、その場限りの商品を売る」といった状態です。
獲物が獲れなければその月の収入はゼロになるため、休む間もなく働き続けなければならないというプレッシャーが伴います。
一方、農耕型のビジネスモデルとは、畑を耕して種をまき、丁寧に育てて長期的に収穫を得るスタイルのことです。
例えば、「完成したWebサイトの月額保守や更新を請け負う」「毎月の定期コンサルティングを契約する」「月額制の会員サービスを作る」などがこれに当たります。
一度築いた顧客との関係性から、継続的に収益が生まれるため、毎月ゼロからスタートする不安から解放されます。
この「農耕型」の「畑」を作っていくために大切なのが、以下の2つのポイントになります。
「ストック型(継続)収益」を育てる
単発のお仕事だけでなく、少額でもいいので毎月確実に入金される仕組み(定期的な保守契約、月額サポートなど)を作ってみて下さい。
「毎月1日を迎えた時点で、最低限の固定費はクリアできている」という安心感は、焦りからくる安請け合いを防ぎ、本当にやりたい仕事に集中するための精神的な「ゆとり」を生み出してくれます。
経営の精神的負担は劇的に軽くなります。
サービスを「パッケージ化」する
何でも引き受ける「便利屋」になっていませんか?
ご自身が最も得意とし、効率よく価値を提供できるサービスを「基本パッケージ」として絞り込んでみて下さい。
ご自身の最も得意な部分の仕事を受けると、「できる」をフルに発揮できます。
これを「基本パッケージ」として業務が「型」化されることで、提供するサービスの品質が安定し、無駄な労力を減らすことができるはずです。
また、お客様にとっても「何をしてくれるのか」が明確になるため、ミスマッチが減り、お互いにとって気持ちの良い取引が実現しやすくなります。
第2段階:安売りからの脱却と「濃いファン」づくり

収益の土台ができ始めたら、次は「忙しいのに利益が残らない」という、自分の時間と体力を切り売りし続けるような働き方の疲弊から、抜け出す段階です。
ついつい、売上を上げることに焦って、同業他社より少しでも安くして案件を獲ろうとするのは、終わりのない消耗戦の始まりです。
もちろん、その中心人物はご自身なので、事業を継続する気持ちの維持にも大きく影響してしまいます。
ご自身の最も得意なお仕事を「基本パッケージ」として明確にすることで、適正な価格やファンを作るといった打開策が見えてきます。
自分の「適正価格」に胸を張る
あなたの提供するサービスの本当の価値を見つめ直し、それに見合った正当な価格を設定してみて下さい。
単なる作業に対する対価ではなく、あなたの専門性や、お客様に提供する「安心感」や「確実な成果」が含まれた価格です。
まずは、規模の拡大を追わずに安定させることを目標にするので、万人に受ける必要はありません。
あなたの価値を理解し、喜んで対価を支払ってくださるお客様に絞り込む勇気を持ってください。
そうすることで、一つ一つの仕事にじっくりと向き合うことができ、価格に見合った最高のパフォーマンスを発揮できる好循環が生まれ、結果的に質の高いサービスを持続し、提供できるようになります。
新規集客より「既存顧客のファン化」
一度ご縁のあったお客様との関係を、何よりも大切にしてください。
「新規顧客獲得にかかるコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかる」とも言われます。
常に新しいお客様を探し続けるのは、大きな労力とコストがかかります。
他方で、目の前のお客様に丁寧なアフターフォローを続け、期待にしっかり応えることで、自然とリピートや質の高い紹介が生まれるようになります。
「困った時は、また、あなたに頼みたい」と言っていただける強固な信頼関係は、事業を長く守り続けるための最高の財産であり、揺るぎない最高のリスクヘッジになります。
目の前のお一人に徹底的に喜んでいただくことこそが、実は最も確実でコストパフォーマンスの高い「安定化戦略」です。
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第3段階:揺るがない「守り」の構築とキャッシュフロー経営

事業が軌道に乗り始めると、つい気が緩んだり、見栄を張って不要な投資をしてしまったりしがちです。
私自身も、無駄な投資(パソコンやガジェットなど)をしてしまったり、時間の使い方を意識しなかったため、無駄に浪費することもありました。
好調な時ほど「もっといける」と強気になりがちですが、事業状況の変化や不測の事態は突然やってきます。
長く続けるために重要なのは、「守り」の力が必要になってきます。
身の丈に合った固定費と、手元資金の確保
売上が上がっても、高い家賃や過剰なシステムなど、安易に固定費を増やさないように意識をしてみて下さい。
利益をしっかりと手元資金(キャッシュ)として蓄え、万が一、数ヶ月間収入が途絶えても事業や生活も含めて継続できる「防衛力」を高める必要があります。
「半年間は無収入でも事業と生活が回る」という手元資金の余裕は、いざという時の焦りを完全に打ち消し、平常心を保ち、冷静で的確な経営判断を下すための強力な盾になります。
「待ちの集客」を自動化する
ご自身の専門知識やノウハウをSNSなどで発信し続けることで、Web上に「24時間休まず働く営業マン」を設置することになります。
例えば、「よくある質問」や「専門家ならではの解決策」を記事として蓄積していけば、あなたが寝ている間も、見込み客の都合の良い時間で閲覧してくれます。
また、SNS以外でも、いざという時に焦って営業をかけなくても、自然と問い合わせが入る導線を作っておくことが大切です。
形になるまでには時間が掛かりますが、この「待ちの資産」をコツコツと積み上げていくことで、集客にかける労力や精神的負担は次第に減っていきます。
第4段階:最大の資本「自分自身」を大切にする

そして最終段階。
少数精鋭や個人で事業を営む場合、忘れてはならない最重要の事実があります。
それは、最大の資本は「あなた自身」であるということです。
どれだけ素晴らしいサービスや仕組みを作っても、それらを動かすのは、あなた自身です。
あなた自身が倒れてしまえば、すべてがストップしてしまいます。
仕事とプライベートの境界線を引く
経営者は、放っておくと24時間365日仕事のことを考えてしまいます。
「自由になるために独立したはずが、気づけば仕事の奴隷になっていた」という事態を防ぐためにも、意図的に「仕事を持たない日」や「完全に休む時間」を作ってみて下さい。
休むことも立派な「経営者の仕事」だと割り切る勇気が必要です。
あなたが燃え尽きてしまっては、元も子もありません。
心身への自己投資を惜しまない
新しい知識のインプットや、心身をリフレッシュする体験に時間とお金を使いましょう。
常に新しい風を自分の中に取り入れることで、アイデアが枯渇することなく、お客様にも新鮮な価値を提供し続けることができます。
経営者自身が常に健康で、前向きなエネルギーに満ちていること。
それ自体が、お客様に安心感を与え、事業を長く愛されるものにする最大の原動力となります。
まとめ:焦らず、10年先も「自分の仕事が好き」と笑える、あなたらしい経営を

「強い経営者」とは、一人で全てを完璧にこなすスーパーマンのことではありません。
そして、自分の弱さや限界を認めることも、決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、それを知っているからこそ、自分のキャパシティ(限界)を冷静に把握できます。
ご自身の限界を知り、便利で効率的なツールを活用しながら、そして、周りの力を上手に借りながら、無理のない持続可能な仕組みを丁寧に築き上げることを意識してみて下さい。
決して、周りと比べて焦る必要はありません。
まずはご自身のペースを大切に、目の前の第1段階から着実に歩みを進め、その一歩一歩が、10年、20年と続く、「あなたらしい」愛される事業の確かな礎となるはずです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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投稿者プロフィール
古賀 聡
広島県広島市の税理士。現在は、個人事業主・中小事業者(法人)の税務・経営の相談を中心に活動中。ブログ投稿を2020年10月1日に立ち上げ、税務・会計だけでなく、Excelマクロなどのアプリを使って業務の効率化や経営のちょっとしたコツなど、「小さな便利」記事を作成・投稿中。








