事業経営のアウフヘーベン(考えて問題解決)

事業経営を継続していく過程で、さまざまな問題や課題が発生します。
解決するには一筋縄ではいかないものです。
そこで、解決するための一つの考え方として
「アウフヘーベン」というものがあります。
問題や課題を解決するための行動の前に、
現状を把握し解決方法を整理するのに役に立ちます。

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写真:アウフヘーベンの図(できるだけ分かりやすいように作成しました。)

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「アウフヘーベン」ってなに?

「アウフヘーベン(ドイツ語:aufheben)」という言葉があります。
20歳代前半にこの言葉を知りました。

私は、この言葉を頻繁に応用します。

「コトバンク」というホームページでは、下記のように説明しています。

「アウフヘーベンする」とは
「対立する考え方や物事からより高い次元の答えを導き出す」
「議論を深めることでさらに良くする」
「見方を変えて解決策につなげる」
という行為を指します。
つまり「対立する二者を超越した結論を導く」
という意味になります。

「コトバンク」のホームページより

チャットGPTにも聞いてみました。(下記写真はその回答です)

日本語がちょっと不自然なところがありますが・・・。
(私もチャットGPTのコトをいえませんが・・・)
(また、次章でその詳細に触れます。)

上記のチャットGPTの内容を下記に記します。

アウフヘーベン(Aufheben)は、ドイツ語で「上がる」または「超する越」
という意味を持つ哲学的な用語です。

この概念は、特にドイツの哲学者ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリッヒ・ヘーゲルによって重要な役割を担っています。

アウフヘーベンは、彼の哲学体系において中心的な要素であり、その後の哲学者たちにも影響を与えました。

アウフヘーベンの基本的なアイデアは、ある概念や対立する2つの要素を取り入れ、それらを保存しながら、幻の概念や合成を新しい進化プロセスです。

これは発展的なプロセスであり、進化や変化をアウフヘーベンは、しばしば三段階のプロセスとして説明されます:

1.否定(否定):
最初の段階は、既存の概念や状態を否定する段階です。
これはあるアイデアや状況の限界を認識することを意味します。

2.これは、過去のアイデアや価値を完全に破棄せずに、
新しい合成を可能にするための基盤を提供します。

3.合成(Synthesis):
最終段階では、否定と保存された要素を統合し、
新しいファンタジーのアイデアや状態を繰り返します。
これにより、進歩と発展が促進され、
より含まれた理解や解決策が生まれる可能性がございます。

アウフヘーベンは、哲学的な闘争だけでなく、
歴史、社会、文化など幅広い分野で適用されます。
この概念を理解することは、新しい対立や対立が
洞察や発展の機会を提供するプロセスを示すため、
非常に重要です。

チャットGPTより

だそうです。

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「限界を認識する」は「次のステップ」

初めて聞いた人でも分かるようにと設定したのですが、
上記の説明で理解できるでしょうか?

「1.否定」とありますが、
これは「ダメだ」という意味ではなく、「限界を認識」するという意味です。

事業の場合で考えると、さまざまな「限界」が出てきます。

例えば、飲食業として店舗で料理を提供している場合、
「制限」されるのは席数(お客様のスペース)です。

当然ですが、席数以上のお客様を店舗内に招いて食事ができないため、
お客様の数には限界があります。ということは、売上高も限界がきます。

この売上高の限界を引き上げるためには、お客様の入れ替わりが必要になります。
つまり、客回転が限界を引き上げる要素になります。

それでも、客回転にも限界があります。
通常、食事をとる時間帯を外れると、お客様は極端にすくなくなるからです。

このように、さまざまな「限界」(制限)があり、
その「限界を理解(認識)」するという意味です。

「3.合成」はどうでしょうか?
限界を認識(「否定」)すると、自分の事業の「弱みを認識」することになります。
この「弱みを認識」できることは、
次のステップに転じる新しいスタート地点に着くことと同じ意味になります。

つまり、売上高を引き上げるためには、「なら、じゃぁどうしよう」となります。
今までのやり方も大切にしつつ、新しくスタートして、何かイイ方法や仕組みがないか探します。

仮に、「弁当にして販売をすればどうなるだろう・・・」と考えたとします。
弁当を店外で食べていただくので、上記の「限界」である席数には制限されません。

弁当を購入したお客様は、ご自宅で食べる、公園や景色のイイ場所で食べる、
お土産に持って行って他の人に渡すなど、
店舗内の席数に関係なく食事をして頂けます。

「弁当の販売」を「現状の飲食店舗」に「合成」して、
「売上高を引き上げる」につながります。

つまり、「店舗内での飲食+弁当での販売=売上高の増加」という式です。

この仕組みができたので、後は「売れる弁当」を徹底して考えます。

今までの事業のやり方を、今後、事業を更に安定させるため(「テーゼ」)、
今の事業規模(席数・来客時間帯)という制約の中で(「アンチテーゼ」)、
どのように売り上げを伸ばすかという問題について、
「じゃあどうする?」を徹底的に考え抜いて、
違うレベル(工夫して)で解決していく(「ジンテーゼ」)という図式ができます。

「制約」という限界を新しいアイデアで打破していく過程です。

飲食店の店舗経営を例にしましたが、
どのような事業でも、この考え方は応用できます。

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「考える」コトを継続(選択するのは事業主)

「売上高を上げる」ために、上記の例もありますが、
他方では、「売上高を維持する」という選択肢もあります。

この「限界」の範囲内で、長く継続させることもひとつの方法です。
常に、売上高を上げることが、経営を持続させる唯一の手段ではありません。

選択するのは、経営者である当事者です。
限界を超えることで、事業の進展はあるのですが、
限界の範囲内では進展は無いかというとそうでもありません。

季節に応じて提供する料理を替えたり、
新しい定番メニューを創作したり、
店舗の雰囲気を変更したり、
などなど、お客様に提供する料理や店内の内装について、
考えなけらばならないことが日々出てきます。

「事業を維持する」こと自体も考えなければなりません。
事業を継続すること自体が簡単ではないからです。

どちらを選択しても、必ず「事業経営について考える」ということが必須です。

私の仕事上(会計上)、「売上高を上げる」や「経費を下げる」を考えるのですが、
経営者は、本業について常に考えています。

「現状が安泰で、ずっと将来まで今の状態が続く」と思っている経営者はいません。
何か別のやり方がないか、面白いことはないか、を模索しています。

アウフヘーベンは、
より良い方法を見つけるための思考手段の一つだと考えています。

実務で感じるのは、
「経営する」、「問題を解決する」、「アウフヘーベンする」が
同じような意味になるとも考えています。

そして、
「しぶとい経営」、「諦めない経営」、「ブレない経営」に
なるのかもしれないと考えています。

最後まで、ご覧いただき、ありがとうございました。

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投稿者プロフィール

古賀 聡

広島県広島市の税理士。現在は、個人事業主・中小事業者(法人)の税務・経営の相談を中心に活動中。ブログ投稿を2020年10月1日に立ち上げ、税務・会計だけでなく、ExcelマクロやRPAを使って業務の効率化やWebサイトの構築など、「小さな便利」記事を毎週月曜日に作成・投稿中。

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