【雑談は適度に大事】

お客様と雑談をする機会は日常的にあります。
雑談から見えるヒントについて、
月次監査に応用できる内容について考えてみます。

画像：雑談のイメージ

雑談は効率を下げるものか

仕事柄、お客様と話す機会は多数あります。
通常は、訪問し月次監査を完了して、
試算表（貸借対照表・損益計算書）の内容について
お話をします。
（試算表を一切見ず、説明すら聞かないお客様もいらっしゃいますが）

特に気を付けているのは、
出来上がった試算表を元に、
将来の事業の内容と組み合わせるようにしています。
現在以降の資金がまわるのかどうか、
突発的な大きな支払が無いかどうか
などなど。

試算表という数字（過去の数字）を
現時点の予測される数字（現在の数字）を織り込み、
将来予測される損益や資金の動き（将来の数字）と組み合わせて、
事業が安定するかどうかを確認します。
このようなお話は、
自分自身が確認するためでもあるのですが、
お客様も再認識してもらう時間にしてもらっています。

一通り、上記の内容のお話が終わると、
雑談が始まります。
時間という側面のみを考えると不要であり、
次の仕事に向かった方が時間効率はイイはずです。
そう考えるのは、
私のキャパシティが小さいのかもしれませんが・・・。
他愛もない話や一方的な話の場合は、
時間だけが過ぎてしまうと感じます。
時間効率だけを考えているのではなく、
現状を把握するための時間という側面で考えると、
効率だけではくくれません。
事業の状況を把握するためには、
雑談は必要な場合が出てきます。

雑談から見えるヒント

現状を把握する雑談は、
帳簿の整合性を担保するヒントが隠されています。

経費の計上の場合だと、
次のような切出し方で雑談が始まった場合は、
帳簿の整合性と信憑性を考えます。
（一種の職業病です）

（例１）
お客様
「先日、取引先の社長さんと〇〇に行ってきてさぁ・・・」

私（考えているコト）
（〇〇に行ったのなら、
行った先の交際費の支払が発生するはずだ・・・
領収書はあったかなぁ・・・）

この場合、
帳簿には必ず交際費になる領収書などの支払があり、
適切な経費処理がされているかを思い起こします。
もし、支払の領収書などが無かった場合は、
経費が漏れているコトになります。
カード支払の場合は、
時期のズレがありますので後日の処理になります。
お客様が個人的に支払った場合は、
領収書すら保管されておらず、
事業の損益（当期利益）はズレてしまいます。
うっかり領収書をもらうのを忘れていた
という事実が判明します。

雑談では、こういう場合の対処方法などを説明する機会を
与えられたコトにもなります。
この経費（損益）のズレが
現金（貸借）のズレに影響していないかどうか
などを考えます。

（例２）
お客様
「先週の連休中に、家族水入らずで〇〇に行ってきてさぁ・・・」

私（考えているコト）
（家族で行っているわけだから、
事業と関係はないよなぁ。
間違って支払の領収書があったら、
経費に出来ないコトを伝えよう・・・）

この場合、
「家族水入らず」は事業ではなく私用のため、
領収書などは入っていてはいけません。
習慣で領収書をもらっているので、
誤って経費計上していないかどうかを
記憶を辿り思い起こします。
カード支払の場合や現金支払の場合で、
支払時期が異なるので、
その時々で確認します。

損益上で利益が出て事業が安定している場合、
ついつい私用の経費を入れてしまうコトも考えられます。
まずは、事業として適切な損益であり利益であることを
把握する必要があります。
理由は、
来期以降の事業計画などを作るときには、
前年度の数字や趨勢を参考にするからです。
雑談は、最終的に事業計画に影響すると言えます。

雑談は適度に必要

雑談を一切受け入れず、
そそくさと帰るというコトは、
時間の効率という観点からは有効です。
ただし、
「人としてオカシイやつだ」と言われても仕方ないです。

上記のように、
雑談には帳簿の精度を上げるヒントがたくさんあります。
まずは、「聴く」というコトが
帳簿処理の精度を上げる一助になります。

他方、帳簿の精度や将来の事業に関係の無い雑談は、
「話すことが好き」という趣味の時間になります。
ヒントに直結する雑談は必須ですが、
ヒントにつながらない雑談は無駄になります。
白黒つけるコト自体意味がないかもしれませんが、
アンテナだけは張っておかないと、
自身の時間を削られるだけになってしまいます。

雑談は適度に大事です。
時間に余裕を持ち、
心に余裕を持つことで、
雑談に時間を割くことができます。

そのためにも、
日常業務を極限まで効率化し、
時間を短縮できるように
日々の業務を工夫するコトが必須です。

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