数字に追われる毎日を卒業する。ドラッカーの「顧客の創造」から学ぶ、数字を主体的につくる働き方

日々「目標値」という数字に追われ、受動的な働き方に息苦しさを感じていませんか。
そんな悩みを解決するヒントが、マネジメントの父、ピーター・ドラッカーの言葉にあります。
それは、「企業の目的は、顧客を創造することである」という言葉。
この教えを理解すると、冷たい「数字」が、あなたが自ら生み出した「温かい価値の足跡」へと変わります。
考えの捉え方次第で、仕事を主体的に楽しむことができるようになります。
ここでは営業という視点に絞り、ドラッカーを初めて学ぶ方向けに、この「顧客を創造する」から「数字を主体的につくる意識」へのつながりを解説します。
スポンサーリンク
そもそも、ドラッカーの言う「顧客を創造する」ってどういうこと?

「顧客(お客さん)を『創造する(つくり出す)』」と言われると、なんだか難しくて大きな話に聞こえます。
これを身近な言葉に翻訳すると、「これまでこの世になかった、新しい『うれしい!』や『便利!』を生み出して、ファンになってもらうこと」とも言えます。
例えば、私たちが毎日使っている「スマートフォン(iPhone)」。
スマートフォンが登場する前、私たちは「画面を指で直接触って操作できて、パソコン並みにネットがサクサク動く携帯電話が欲しい」とは口にしていませんでした。
そんなもの、この世に存在しなかったからです(日本には「iモード」がありましたが)。
しかし、アップル社がその新しい価値を開発し、目の前に提示したとき、世界中の人々が「こんなの欲しかった!」と飛びつきました。
これがまさに, ドラッカーの言う「顧客を創造した(=新しい価値を提案して、新しいお客さんをゼロから誕生させた)」瞬間です。
私たちはつい「目の前にいるお客さんを奪い合う」ことばかり考えがちですが、本当に素晴らしい仕事とは、「新しい喜びを提案して、新しいお客さんを自分の手で生み出すこと」ではないでしょうか。
【ミニ解説】ピーター・ドラッカーってどんな人?
「マネジメントの父」と呼ばれる、20世紀を代表する社会学者。
そして、難しいビジネスの仕組みを、本質的な言葉で説いた偉大な思想家でもあります。
彼の思想の根底にあるのは、「働く人が幸せになり、社会に貢献すること」。
単なる売上アップのノウハウではなく、人間らしく働くための温かい哲学を説いています。
だからこそ、今でも世界中で愛され続けています。
「数字に追われる人」と「数字を主体的につくる人」の決定的な違い

では、この「顧客を創造する」という考え方が、日々の目標数値とどう結びつくのでしょうか。
実は、仕事における「数字の捉え方」には、次の2つのパターンが存在します。
✕ パターンA:数字に「追われている」人(受動的)
数字を単なる「ノルマ」や「上司に怒られないための目標」として受け身で捉えている状態です。
- 「今月もあと100万円売らなきゃ…(ため息)」
- 「あと5件、契約を取らないと、目標が達成できない…」
この状態だと、仕事はお金を稼ぐための「義務」になり、数字に振り回されて心が疲弊してしまいます。
◯ パターンB:数字を「主体的につくっている」人(主体的)
ドラッカーの考え方を取り入れて、「数字=自分が喜ばせたお客さんの数(価値のボリューム)」と捉えている状態です。
- 「私たちのこの商品を使えば、あのお客さんの悩みを解決して、笑顔にできるはず!」
- 「今月は新しく10人のお客さんに、この感動を届けて、ファンになってもらおう(=顧客の創造)」
- 結果として、100万円の売上が達成される。
このとき、100万円という数字は、上から押し付けられた冷たいノルマではなく、「自分が世の中に生み出した『ありがとう』の量を表す数字」に変わります。
この感覚が、数字を主体的につくるという意識です。
スポンサーリンク
主体的に数字をつくるための、ドラッカー流「2つのアプローチ」

ドラッカーは、お客さんを新しく創り出すために、私たちがやるべきことは2つだけだと言っています。
これらを日々の数字と結びつけてみましょう。
アプローチ① マーケティング:お客さんの気持ちを徹底的に想像する
マーケティングの理想は、強引に売り込まなくても、自然とお客さんが欲しくなる状態を作ることです。
そのためには、「どうすれば売れるか」ではなく、「お客さんが本当に困っていることは何だろう?」とトコトン想像を巡らせます。
- 受け身な人
アンケートの満足度が90%だった数字を見て、「よし、合格点だな」と安心する。 - 主体的な人
「残りの10%の人は, 何に不満を感じたのだろう? ここを解決すれば、もっとたくさんの人を笑顔にできる(新しい顧客を創れる)ぞ!」と、数字の裏にある「生身の人間」の感情を追いかける。
アプローチ② イノベーション:新しいやり方にチャレンジする
イノベーションとは、今までのやり方にこだわらず、新しい「うれしい!」を自ら作り出すことです。
- 受け身な人
「前年と同じやり方で、同じ数字を維持しよう」と、変化を恐れる。 - 主体的な人
「この新しいアプローチを試せば、これまで届かなかった人たち(今はまだゼロの市場)に、新しい便利さを届けられる(市場を100にできる)んじゃないか?」と、ワクワクしながら新しい数字をゼロから生み出しようとする。
まとめ:小さな「ありがとう」から始める顧客の創造

「iPhoneのような、世の中をガラリと変える大発明なんて自分には無理…」 そう思うのも無理はありません。
実際、個人事業主や小規模法人にとって、世界を変えるイノベーションは非常に難しいのが現実です。
でも、あきらめる必要はまったくないと考えます。
いま持っている技術やアイデアを掛け合わせることで、「ちょっと違う新しいこと」に、チャレンジできるはずです。
何より、お客さんを心から喜ばせること。
この「喜ばせること」は、会社の規模は一切関係ありません。
大企業でも、個人事業主でも、チャレンジするのは「人」です。
だからこそ、まずは自分にこんな問いかけをしてみませんか?

「今月は、どれだけ新しい『ありがとう』と『ファン』を、私の手で創り出せるだろうか?」
小さな「うれしい!」を積み重ねる。
これが、あなたにとっての「顧客の創造」になります。
そう考えると、目の前の数字は「冷たいノルマ」から、主体的に生み出した「温かい価値の足跡」へと変わっていくのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
★ ★ ★

投稿者プロフィール
古賀 聡
広島県広島市の税理士。現在は、個人事業主・中小事業者(法人)の税務・経営の相談を中心に活動中。ブログ投稿を2020年10月1日に立ち上げ、税務・会計だけでなく、Excelマクロなどのアプリを使って業務の効率化や経営のちょっとしたコツなど、「小さな便利」記事を作成・投稿中。









