資金繰り:定期積立金の活用法
事業をスタートし、ある程度期間が過ぎると、
積立可能な金額が見えてきます。
今後の備えや目標の金額などに定期積立金をお勧めします。
定期積立金をすることで、
通常運転資金として使用する通帳から強制的に積み立て、
気づいたら貯まっているというメリットがあります。
<目次>
運転資金を圧迫しない程度に積立金額を設定する
事業を始めると、
通帳の各月末眺めて(通帳の残高を定点観測する)、
預金残高が少しずつ増えていると、
その増えた分の金額が最大積立金額として設定することができます。
また、ひと月大体どれだけの残高があればイイかが見えてきます。
(この残高を把握することは非常に重要なので、
感覚的でイイので必ず身に着けておいてください)
預金通帳に必要な、あるいは、安心できる残高を
圧迫するような積立金額を設定すると、
どこかの時点で積立金を通帳に戻すことになります。
そうならないよう、無理な積立金額を設定しないことが重要です。
将来必要となってくるモノのために積み立てる
事業を継続していくと、
今持っている道具や備品より
もっと便利で使い勝手の良いモノを検討します。
道具や備品の買い替え時期も同様で、
クルマが分かりやすい例ではないでしょうか。
また、事業を案定させるためや、
事業を拡大するための資金が
必要となる時期が来ます。
この「時期」が明確に経営計画などで設定している場合は、
その目標に向かって積立を行ってみてください。
仮に、目標や時期を設定していなくても、
気づいた時にはそれなりの金額に膨らんでおり、
事業展開をする頭金として使用したり、
買い替えの支払に使用したりと何かと便利なモノです。
計画的な支払をするために積み立てる(消費税納税預金)
現時点の売上高で目安となる納付する消費税額があります。
特に、消費税等課税事業者になった年度からは
消費税等を納付しなくてはならないため、
通帳から強制的に資金を移動させる方がイイです。
消費税分の金額が預金に残り余計儲けた気になったり、
お金が増えていると錯覚してしまいます。
納付時期になって消費税を納付するから金額が無くても、
税務署は待ってくれません。
この状況は結構頻繁に出くわす事があります。
納付が遅れると延滞税を支払う必要があり、全くもって無駄な支払です。
事業の継続を考えるならば、この納税預金はぜひ導入して下さい。
計画的な支払をするために積み立てる(固定費用の預金)
事業の固定費の支払として有効活用できます。
具体的に見てみましょう。
駐車場代を例に考えてみます。
便利な場所の駐車場は借りることが多いと思います。
また、事務所を一度構えると、
一度借りた駐車場は安いところがない限り継続して借りる事になります。
毎月10,000円の駐車場代を支払った場合、毎月110円の振込手数料がかかります。
12ヶ月の振込手数料は、110円×12ヶ月=1,320円となります。
もし、年一回120,000円(年間支払金額)を振込んだ場合、
手数料は金融機関にもよりますが、他行振込で660円ぐらいになり、
その差額である660円が浮くことになります。
また、毎月支払をしなくてよいため、支払の漏れもなくなります。
そして、支払の手間が無くなるという大きなメリットがあります。
ちょっとした手間ですが、一つでも手間が減らすことで、
売上を上げる手間に使いたいものです。
一度に120,000円支払うというデメリットもありますが、
通常使用する通帳から強制的に定期積立金に振り替えているため、
通常運転資金にはほとんど影響しないはずです。
もし影響する場合は、無理な積立をしている事になるので、
一度、資金の見直し(資金繰りの見直し)をする必要があります。
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投稿者プロフィール
古賀 聡
広島県広島市の税理士。現在は、個人事業主・中小事業者(法人)の税務・経営の相談を中心に活動中。ブログ投稿を2020年10月1日に立ち上げ、税務・会計だけでなく、ExcelマクロやRPAを使って業務の効率化やWebサイトの構築など、「小さな便利」記事を毎週月曜日に作成・投稿中。
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