【事務所・倉庫の購入準備を検討】

開業し、事業が安定してきたら
不動産の購入を考えると思います。
ここでは、事務所・倉庫を購入するにあたり、
どのような準備をしておいたらよいか
見ていきたいと思います。

画像:手狭になってきた作業場(イメージ)

賃貸で事務所・倉庫を借りている場合、
事業が安定すると、
その物件の家賃を支払い続けたという実績ができます。

もし、金融機関(銀行など)から融資を受け
事務所や倉庫を購入できたとしたら、
月々の返済金額が支払っていた家賃と同額の場合、
支払先が物件オーナーから金融機関に
入れ替わるだけとなり、
事業の運転資金は今まで通り回ることになります。

賃貸している事務所・倉庫は手狭になった場合は、
この支払先の入れ替えにより、
資金が順調に回るかどうか検討し、
継続できそう(できる)のであれば、
事務所・倉庫の購入を検討してみるタイミングになります。

お客様が事務所・倉庫を購入する時、よく質問されるのが、
「ぶっちゃけ、この物件買いですか?」です。
この質問に対する判断基準は次の2つの基準を参考にしてみてください。

購入する前に考えることは二つです。
一つ目は入口(購入)の戦略、
二つ目は出口(売却)の戦略です。

一つ目の入口の戦略は、購入という側面です。

簡単に言うと資金が回るかどうかです。
購入後、月々の資金が回らない場合は、
必ず資金ショートして事業がうまくいかなくなります。

では、実際にどのように検証するか。

まず、直近6ヶ月間(あるいは、直近1年間)の現時点で
どのくらい資金が増加しているかを確認します。
また、事務所を購入することで転換される資金
(現在借りている家賃など払わないくて良い資金)も
資金繰りに影響してきますので計算に入れてください。

そうすることで、購入できる概算の予算額
(土地・建物や仲介手数料・不動産取得税などを含む)が
必然的に決まってきます。

この概算予算額を大幅に超える場合は、
無理して購入することになり、
生活資金にまで影響することになるので、
注意が必要です。
補填できる売上(入金)がある場合は、
その金額も必ず概算予算額に計算に入れてください。

購入資金は、設備の借入として金融機関から借り入れることになり、
7年(返済回数84回)から10年(返済回数120回)で
返済するコトが多いです(金融機関により期間は異なる)。
ザックリ計算で返済可能かどうかを検証します。
そのため、次の式が成立するかどうかを確認します。

「増加した資金+補填できる売上-事務所家賃=返済金額(利息を含む)」

金融機関から購入資金の全額を借りる場合や
約8割を借りる場合など、返済金額が変わってきます。
金融機関の融資が、こちらの「想い(検証内容)」と一致し、
実現可能かどうかも事前に考えておく必要もあります。

二つ目の出口の戦略は、売却という側面です。

自宅と違い売ることは可能です。
そのため、購入前の時点で売却することも同時に検討します。

自社が購入する理由と同様に、
売却する時も、同様な購入者が現れるかどうか。
他の種類の購入者の場合であれば、
どのような購入者が対象になれるのか。
などなど、かなり具体的に考えておいた方が良いです。

最悪、購入者がイメージできない場合は、
「捨てる(遊休資産)」という考えになります。
固定資産税の支払、維持管理のための費用が発生します。
維持経費がかかるため、事業の運転資金を減少させる要因になります。
売却時点で、二束三文になるだけ良いかもしれません。

この出口戦略を考えるのは簡単ではありませんが、
最終的にこの不動産をどう処理するかは、
数十年後ぐらい後々で邪魔になってくる「問題点」になるからです。
入口は華やかでワクワクするコトですが、
出口はどのように終わるかヤキモキするコトかもしれません。

急激に売上が増えるには、
人や設備を確保して、
増加した売上に対応できる規模にまで
整える必要があります。

開業当時、一人でやっている場合、
急激に売上・人・設備を増やすことのデメリットが
メリットより上回る場合は、
あえて避けるべきかもしれません。
(借入金の増加や設備準備不足などのリスク)

まずは、自らの生活があるため、
その生活すら危ぶまれるような資金状態では、
踏み込むべきではないと考えます。

他方で、事務所・倉庫に見合う不動産に出会うことは、
「人の出会い」と同じぐらい偶然が重なるコトでもあります。

上記の内容を事前に検証してみて(準備)、
この「不動産の出会い」があれば、
確実に購入かどうかの判断が早くなります。


投稿者プロフィール

古賀 聡

広島県広島市の税理士。現在は、個人事業主・中小事業者(法人)の税務・経営の相談を中心に活動中。ブログ投稿を2020年10月1日に立ち上げ、税務・会計だけでなく、ExcelマクロやRPAを使って業務の効率化やWebサイトの構築など、「小さな便利」記事を毎週月曜日に作成・投稿中。

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