「安売り」は誰も幸せにしない。個人で独立開業したあなたに伝えたい、適正価格をいただく本当の理由

寿司やカフェなどの飲食業、旅館やペンションなどの宿泊業、そしてヨガやゴルフなどのインストラクター業。
こうした「お客様へ直接サービスや体験をご提供する」ビジネスを、たった一人で(あるいはご家族など、ごく少人数で)立ち上げたあなたへ、最も大切にしていただきたい考え方があります。
それは、「お客様にとって本当に価値のある体験をご提供し、その価値にふさわしいお代(対価)をきちんといただく」ということです。
これは、単に売上を伸ばすためのテクニックではありません。
お客様のお悩みやご要望に、あなた自身がマンツーマンで真摯に向き合い、長く愛されるお店や教室として信頼関係を築くための、最も誠実な決断です。
このブログ記事では、なぜ個人事業主であるあなたが「適正価格」をいただくことが、いかに重要なのか、その理由をご説明します。
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「価値あるものをご提供する」とはどういうことか

飲食業やサービス業における「価値」とは、単に目に見える料理や空間をお出ししたり、決まったカリキュラムを教えたりすることだけではありません。
なぜ、お客様が時間とお金を使ってでも、他でもない「あなた」のお店や教室を選んでくださったのか。
その背景にある「本当の目的」や「期待」を理解し、あなた自身の技術と心遣いで、お客様が求めているコトを叶えることが、生み出すべき真の価値と言えるのではないでしょうか。
【業種別の具体例】
- 飲食業の場合
記念日のお祝いで訪れたお客様に対して、ただ美味しい料理を提供するだけではありません。
会話の邪魔をしない絶妙なタイミングでの料理の提供や、記憶に残るサプライズの演出など、目の前のお客様の食事の状況や理由に対応するように、心がけているはずです。
ご本人は「普通に仕事をしている」ので気付きにくい部分ですが、お客様の「特別な日を最高のものにする空間と時間」を提供しています。 - 宿泊業の場合
日々の疲れを癒やしたくて泊まりに来たお客様に対して、ただ寝る場所を提供するだけではないはずです。
心地よい香りや肌触りの良い寝具、温かみのある接客によって、「心からリラックスして明日への活力を養える滞在」を提供しています。 - インストラクター業(ヨガ・ゴルフなど)の場合
ヨガで健康になりたい、ゴルフが上達したいと通ってくださる生徒さんに対して、ただ正しいフォームを教えるだけではないはずです。
その日の体調やメンタルに寄り添い、「目標とする理想の自分に近づけたという達成感と喜び」を提供しています。
なぜ「ふさわしいお代」が必要なのか

お代をいただく際、「少しでも安いほうがお客様に喜ばれるのではないか」と迷うことがあるかもしれません。
しかし、「適正な金額」をしっかりと頂戴することは、お店の利益のため以上に、「お客様ご自身の安全と、最高の体験をお守りするため」に絶対に必要なことなのです。
事業主のあなたが、プロとして妥協のない準備を行うための「時間」と「心の余裕」は、適正な対価によってのみ守られます。
たとえば、飲食業であれば、安心・安全で新鮮な食材を妥協せずに探し求めて仕入れること。
宿泊業であれば、リネン類を常に清潔に保ち、隅々まで清掃が行き届いた心地よい空間を維持すること。
インストラクター業であれば、生徒さんに怪我をさせないよう、日々のレッスンの合間に最新の知識を学び続けること。
これらには、どうしても相応の費用と、何より「あなたの貴重な時間」がかかります。
もし、無理に料金を下げてしまうと、こうした目に見えない安全や質の担保が削られ、最悪の場合、お客様の心身に負担をかけてしまうことになりかねません。
また、あらかじめ適正な金額をいただいていると、現場でアレルギーへの対応や、予期せぬ体調不良などのイレギュラーが起きた際にも、焦ることなくお客様に寄り添った細やかな配慮を行う「精神的なゆとり」が生まれます。
独立当初は、どうしても一人ですべてを対応しなければならないからこそ、この「ゆとり」が最高のサービスに直結するのです。
無理な値引きが引き起こす「悪循環」

お客様に喜んで頂きたいが故に、
「今回は特別に安くします」
「サービスしておきます」と
安易に価格を下げてしまうことは、一見すると親切な対応に思えるかもしれません。
しかし、明確な理由のない無理な値引きは、あなたの大切な資金と、限られた時間や体力を奪い、回りまわって最終的にはお客様自身に不利益を押し付けてしまう恐ろしい悪循環の入り口となります。
安い料金で多くのお客様を集めようとすると、ほとんどの業務を一人で担う開業当初の事業主には、体力と気力が真っ先に限界を迎えてしまいます。
飲食や宿泊の現場において、時間に追われ心身が疲弊してしまうと、「どうすればもっと喜んでいただけるか」という前向きな工夫が生まれなくなる傾向があります。
飲食業の場合では、お客様のグラスが空いていることに気づけなくなったりします。
インストラクター行の場合では、生徒さんのわずかなフォームの崩れを見逃してしまったりします。
あなた自身が、気づかないぐらいのスピードで、プロとしての視点や細やかな気配りが、ジワリジワリと失われていくのです。
その結果、本来提供したかったはずの「心から満足できる体験」を提供できなくなり、お客様をがっかりさせてしまいます。
一人で築き上げた信頼は、一度失われると取り戻すことは難しく、結果的にお客様もあなた自身も、誰一人として幸せになれない結末を迎えてしまいます。
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プロとしての覚悟とお約束

「ふさわしいお代をいただく」ということは、お客様の人生の大切なひとときをお預かりするプロとしての、強い覚悟の表れでもあります。
きちんとお代を頂戴するからこそ、あなたはご自身の技術を安売りすることなく、提供する事業(飲食・宿泊・レッスンなど)のあらゆる場面において、最後まで責任を持って「最高のサービス」をお届けすることができます。
お客様と向き合うからこそ、お客様の日常がさらに豊かになるよう、全力を尽くしてお手伝いするという誓いが、適正価格には込められています。
まとめ:心からの「ありがとう」が循環する関係を築くために

ここまでお話ししてきたように、「価値あるものをご提供し、ふさわしいお代をいただく」という考え方は、決して目先の利益を優先したものではありません。
飲食業・宿泊業・インストラクター業のいずれにおいても、お客様の本当の目的に寄り添った価値をご提供し、安全で質の高い体験をお守りすること。
そして、無理な値引きが引き起こす「あなた自身の心身の疲弊」や、それに伴うサービスの低下という悪循環を防ぐこと。
これらはすべて、事業主であるあなたが、プロとして最高のおもてなしをお約束し、最後まで責任を果たすために必要不可欠なことです。
そのため、いただいたお代は、お客様ご自身の「喜び」や「心地よい時間」と同時に、あたな自身の「持続可能な事業」や思い描いている「料理やサービスの提供」なのです。
お互いに心からの「ありがとう」が響き合う、そんな温かく長く続く関係性を築いていくために、これからもご自身の仕事に自信と誇りを持って、目の前のお客様と向き合い続けてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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投稿者プロフィール
古賀 聡
広島県広島市の税理士。現在は、個人事業主・中小事業者(法人)の税務・経営の相談を中心に活動中。ブログ投稿を2020年10月1日に立ち上げ、税務・会計だけでなく、Excelマクロなどのアプリを使って業務の効率化や経営のちょっとしたコツなど、「小さな便利」記事を作成・投稿中。









