簿記 × AI =「???」その2:「分かる」から「使える」へ ~実務スキルの構築~

簿記検定に合格して基礎知識は身についたけれど、実際の経理の仕事に就いてみると「あれ?教科書通りにいかない…」と戸惑うことはありませんか?

資格試験で学ぶ知識は、あくまで実務の「入り口」に過ぎません。

では、その知識を現場で使える「本物のスキル」へと昇華させ、さらに最新のAIを掛け合わせると、私たちの仕事はどう変わるのでしょうか。

今回は、「簿記 × AI」をテーマに、次世代の実務スキルの身につけ方や、AIを活用した仕事術について解説します。

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簿記検定で学んだ知識は、実務という現場でどのように活かされるのでしょうか。

ここでは、教科書通りの正解が通用しない実務の世界を生き抜くための、重要な視点をお伝えします。

「スキル 0 → 1 」の壁を越えるための「気付き」

実務に就いたばかりの頃は、日々の業務の中で直面する問題に対して「何が分からないのかさえ分からない」という壁にぶつかることがよくあります。

この壁を乗り越えるためには、まず目の前に出された取引に対して「なぜこう処理するのか?」「この数字の背景には何があるのか?」と意識的に自らに対して問いかける必要があります。

そして、この問いかけに自分なりの答えを出す(正解・不正解に関わらず)という習慣も不可欠になります。

だんだん洗練されていき「気付き」へと変化してくるのではないでしょうか。

試験と実務の「ルールの違い」を知る

試験では常に「唯一の正解」が存在しますが、実務においては企業ごとに異なる経理規程や商慣行が存在します。

ある会社では正しい処理が、別の会社では誤りとなることも珍しくありません。

実務では、単なる処理の正しさに加えて、「自社のルールに合っているか」や「過去から同じ基準で処理されているか」が重要視されることがあります。

監査や税務調査にも耐えうる、実務ならではの判断基準を持つことが重要です。

簿記と税法の知識で実務処理(簿記を起点に実務の幅を広げる)

簿記で計算される「利益」と、税金を計算する基礎となる「所得」は必ずしも一致しません。

というか、「利益」と「所得」が一致する事の方が圧倒的に少ないです。

例えば、「交際費」の処理や「減価償却費」の計算など、日常的な業務において簿記の知識(会計)と税法の知識は密接に関係します。

この差異を調整する申告調整の考え方など、色々な視点を持つことで、初めて「実務で使える処理」ができるようになります。

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日々の業務や学習の中で得た「気付き」は、頭の中にとどめておくだけではすぐに忘れてしまいます。

ここでは、スマートフォンとAIを連携させ、せっかく気付いた日常の情報を「情報の倉庫」にする方法をご紹介します。

クラウドメモを活用した「無意識の蓄積」

ふとした瞬間に思いついたアイデアや、先輩から教わった重要な業務のポイントなど、日常のあらゆる情報を逃さず記録する習慣をつけてみませんか。

そのためには、設定が必要ですが、Google KeepやLINEの「Keepメモ」機能など、使い慣れているツールを使えば、スマホで入力した内容が瞬時にPCに同期されます。

この「シームレスな環境」を作ることが、無理なくメモを蓄積する第一歩になります。

AIで「自分用ノート」を自動生成するNotebookLMの活用)

蓄積したメモデータは、GoogleのAIツール「NotebookLM」に読み込ませることで真価を発揮します。

NotebookLMは、バラバラのメモの中から関連する情報を抽出し、自動的に整理・構造化してくれます。

単なるメモの羅列が、AIによっていつでも検索・質問可能な「自分だけの知恵袋」へと変わります。

過去の自分がつまずいたポイントや会社の特殊なルールなども、AIに聞けばすぐに引き出せるようになりますよ。

「身に付ける」ためのAI活用術

さらに、NotebookLMの「音声解説」機能を活用すれば、AIが整理した情報をラジオ(あるいはポットキャスト)のように耳で聴くことができます。

通勤時間や家事の合間を使った「ながら学習」に利用できます。

また、読み込んだ情報(元々はメモデータ)に基づいてAIに「クイズ」を作成させることも可能で、ちょっとした模擬練習にもなります。

受け身のインプットだけでなく、AIを相手にしたアウトプットの訓練を行うことで、実務知識の確実な定着を図ることができます。

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AIから質の高い回答(解決策やアイデア)を引き出すためには、適切な「指示文(プロンプト)」を入力する方法が効果的です。

ここでは、Google Geminiなどの対話型AIを実務で使いこなすためのちょっとしたコツをご紹介します。

今でも使える「深津式プロンプト」の指示の出し方

AIから期待通りの回答を得るための有名なフレームワークに「深津式プロンプト」があります。

ChatGPTが出た頃に言われていた手法ですが、今でも私自身はこの手法に沿って、プロンプトを作成しています。

この「深津式プロンプト」は、AIに対して以下の要素(5つの要素の内の3つを厳選)を明確に伝える手法です。

  • 役割:
    あなたは熟練した超絶優秀な経理担当者です。
  • 目的:
    以下の複雑な取引について、適切な仕訳の候補を挙げてください。
  • 条件:
    箇条書きに3点以内で、初心者にも分かりやすく説明してください。

このように、「どのような立場で(役割)」、「何をしてほしいか(目的)」、「どんなルールで(条件)」を明確に設定することで、AIの回答精度は劇的に向上します。

簿記とAIの相乗効果で解決策のヒントを得る

現場で直面しがちな「この特殊な取引…どう処理すればいいんだっけ?」という疑問に対し、先ほどのNotebookLMで整理した「自社独自のルール」のメモと、Geminiの「高い推論能力」を掛け合わせてみて下さい。

「あなたは超絶優秀な経理担当者です。自社の経理規程(条件)を踏まえた上で、この取引の仕訳案と、その税務上の注意点を教えて」とAIに投げかけてみて下さい。

すると、単なる検索では辿り着けない、自社に最適化された具体的な仕訳(あるいは解決策)のヒントを得ることができます。

「自分の仕事」の枠を超える応用例

指示文(プロンプト)の出し方を少し工夫するだけで、AIの活用範囲はさらに広がります。

自分の担当する経理業務だけでなく、その「前工程(営業部門からのデータ受領など)」や「後工程(経営陣への財務報告など)」を意識した指示を出してみてください。

「営業部が経費精算をスムーズに行えるようなフォーマット案を作って」や「この月の財務データから、経営陣に報告すべき異常値をピックアップして」といった具合です。

簿記の知識とAIを掛け合わせることで、単なる作業の効率化にとどまりません。

データに基づく提案など、新たな価値を生み出すことができるようになります。

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「簿記の知識」はそれ単体でも十分役に立つスキルですが、そこに「実務ならではの視点」と「AIという拡張ツール」を掛け合わせることで、新しいレベルの仕事術へと進化します。

  1. 基礎から応用へ:
    試験の知識を「現場で使えるスキル」に変換する
  2. 蓄積から知見へ:
    スマホのメモとNotebookLMで「自分専用の知恵袋」を作る
  3. 作業から創造へ:
    適切なプロンプトで「AIを優秀なアシスタント」として使いこなす

まずは、スマホのメモアプリに「日々の業務の小さな疑問点」を書き留めるところから始めてみませんか?

その小さな疑問点の蓄積が、AI時代を生き抜くあなたの強力な武器になるはずですよ。

最後まで、ご覧いただき、ありがとうございました。

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投稿者プロフィール

古賀 聡

広島県広島市の税理士。現在は、個人事業主・中小事業者(法人)の税務・経営の相談を中心に活動中。ブログ投稿を2020年10月1日に立ち上げ、税務・会計だけでなく、ExcelマクロやRPAを使って業務の効率化やWebサイトの構築など、「小さな便利」記事を毎週月曜日に作成・投稿中。

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