インボイスで消費税を払い始めた方へ朗報!消費税の計算方法を「後出し」で選べる新ルールを分かりやすく解説

今回は、令和8年度の税制改正で発表された、個人事業主やフリーランス、中小企業の方にぜひ知っておいてほしい「消費税の計算ルールの変更」について解説します。
結論から言うと、特定の条件を満たす人(本記事で解説)は、消費税の計算方法を、申告の準備をしてから「安い方」に後出しで選べるようになるという、とってもお得な新ルールです。
インボイス制度をきっかけに、今まで消費税を納めていなかったけれど(消費税の免税事業者だった)、新しく納めるようになったという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
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目次
用語のおさらい:消費税の「2つの計算方法」って?

本題に入る前に、消費税の計算方法について簡単におさらいしましょう。
消費税の計算には、大きく分けて2つの方法があります。
【本則課税(ほんそくかぜい)】
- 基本の計算方法 です。
「お客さんから預かった消費税」から「経費などで自分が支払った消費税」を差し引いて、残りを納めます。 - メリット
支払った消費税が多い(大きな買い物などをした)年は、税金が安くなります。 - デメリット
領収書やレシートの消費税を一つ一つ計算しないといけないので、とにかく手間がかかります。
【簡易課税(かんいかぜい)】
- 簡単な計算方法です。
経費の消費税を一つ一つ計算せず、「売上の消費税」に、業種ごとに決められた「みなし割合」を掛けてざっくり計算します。 - メリット
計算がとても楽です。
また、経費が少ない業種(フリーランスなど)だと、本則課税より税金が安くなることが多いです。 - デメリット
大きな買い物をしても、計算に反映されません。
事業者は、この2つのうち「自分にとって有利な方(税金が安くなる方)」を選びたいものです。
しかし、これまでここには大きな壁がありました。
これまでのルール:簡易課税は「事前の届出」が必要だった

これまでは、「簡易課税」を選択したい場合、原則としてその年が始まる前(前年末まで)に、税務署へ「来年は簡易課税にします」という届出書(簡易課税制度選択届出書)を出す必要がありました。
つまり、実際にその年の売上や経費がどうなるか分からないうちに、計算方法を「予想」で決めておく必要があったのです。
今回の改正ポイント:ギリギリまで「保留」してOKに!

今回の令和8年度税制改正で、ここが変わりました。
特定の条件を満たす人は、事前の届出をしていなくても、申告期限のギリギリ(確定申告書を出す時)になってから「簡易課税にします」と届出を出してもOKになりました。
つまり、一年が終わってから、実際の売上や経費の数字を使って「本則課税」と「簡易課税」の両方を計算してみて、「税金が安くなる方」を後出しジャンケンで選べるようになったということです。
これは事業者にとって、大きなメリットです!
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誰が対象になるの?(ここが重要!)

ただし、このお得なルールは誰でも使えるわけではありません。
対象となるのは以下の条件を満たす方のみです。
- インボイス発行事業者 として登録していること
- その直前の年で 「2割特例」または「3割特例」 を使って消費税を納めていたこと
用語解説:「2割特例」「3割特例」とは?
インボイス制度が始まって、今まで消費税を納めていなかった免税事業者(めんぜいじぎょうしゃ)から、新しく課税事業者になった人のための「負担を軽くする期間限定の特別ルール」です。
売上の消費税の「2割」または「3割」だけを納めれば良いという、一番簡単で税金が安くなりやすい方法です。
つまり、この新ルールは「インボイスをキッカケに消費税を払い始め、特例(2割・3割)の期間が終わって、初めて通常の計算(本則課税か簡易課税)を選ばなくてはいけなくなった人」に対する救済措置です。
ずっと前から消費税を納めていて特例を使っていない人(そもそも課税事業者の場合)や、インボイスに登録していない人は、残念ながら対象外となります。
いつから適用されるの?

この「事後でOK」になる特例は、令和9年12月までの消費税の確定申告期限までに「簡易課税選択届出書」を提出することで、簡易課税を選択することができます。
つまり、もし簡易課税が一番消費税の金額が少ないことが事前に分かれば、令和9年分の申告に関して、令和10年2月29日までに「簡易課税選択届出書」を提出すればよいというコトになります。
まとめ

- 何が変わったの?
「簡易課税」を使いたい場合の届出が、事前ではなく確定申告の期限ギリギリの後出しで良くなった。 - 何が嬉しいの?
実際の数字で「本則課税」と「簡易課税」を比較して、確実に消費税の税金が安くなる方を選べるようになった。 - 誰が使えるの?
インボイス登録をして、直前まで「2割特例」か「3割特例」を使っていた人だけの限定ルール。
インボイス制度で消費税の負担が増えて不安な方も多いと思います。
でも、こうした負担軽減のルールをしっかり知っておくことで、損をせずに済みます。
該当しそうな方は、ぜひ頭の片隅に置いておいてください。
そして、届出書など漏れの内容にして下さい。
最後まで、ご覧いただき、ありがとうございました。
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投稿者プロフィール
古賀 聡
広島県広島市の税理士。現在は、個人事業主・中小事業者(法人)の税務・経営の相談を中心に活動中。ブログ投稿を2020年10月1日に立ち上げ、税務・会計だけでなく、ExcelマクロやRPAを使って業務の効率化やWebサイトの構築など、「小さな便利」記事を毎週月曜日に作成・投稿中。









